関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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75 公企業の改革を、供給と需要の側面に分けて考えていきたいと思います。 一つは供給の方からみると、先ほど述べましたように、規模の経済があり、小規模事業体は平均費用が高くなります。この点からも、広域化の必要性があると思います。 広域化するには、いくつかの方法が考えられます。一つは、市町村合併です。または中小事業体での緩やかな連携をし、供給をするという方式も考えられます。 また、企業組織自身の改革を図ることも必要です。意思決定を迅速にするため、組織を簡略化する必要もあります。何段階もある意思決定をもう少し簡素化する。極端な場合、組織内で課、係を排除してもいいのではないでしょうか。 それから全部を公的なセクターがやるのではなく、外部に委託する。これは既に多くの水道事業体が実施し、部分的委託は全国的に進んでいます。 その他改革の施策として、公的セクターは非効率になりやすいので、目標を明確に掲げるということです。民間企業なら、利益を上げるという明白な目標があるわけです。 目標がはっきりしないことが公的セクターの問題ですから、ある程度、明確化することを考えねばなりません。 その他にはインセンティブを与えるような方法が有効です。 留意すべき点は、権限を与えること。権限を与え、責任を明確化する、ということです。 現在のモチベーション理論では、労働意欲を向上させる一つが「働きがい」といわれています。  また目標管理に関しては、ノルマ的な公企業の改革●組織構造の変革■(参考)職能別組織(U型組織)■(参考)事業部制組織(M型組織)方 法管理組織のフラット化マトリクス組織の導入組織形態の変更プロジェクト方式チーム制説 明組織の階層性をフラット化する。極端な場合には、「課・部制の廃止」。縦の指令系統を横断するような形で横からの調整機能を備える(全体のスタッフ部門)職能別組織から事業部制組織へ。(下図参照)プロジェクト方式:各職能別組織からメンバーを選び一定期間プロジェクトチームをつくる。機械的組織(1人—1職務)から有機的組織(1チーム−1業務)へ。

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