関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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71 水道事業は公益事業ですが、近年、もう少し競争原理を導入してはどうか、という議論が出ています。 電力事業をみると、関西電力や東京電力などは地域独占型の民間企業ですが、家庭用以外の大規模な電力使用に関しては自由競争になっています。 また水道事業は、原則として地方自治体の運営になり、競争相手を考えると、飲料水に関してはペットボトル水、地下水を活用する専用水道などをあげることができますが、それ以外の大きな競争相手はありません。 そうした中、日本の水道事業の現状をみると、水道水質に関しては、非常にハイレベルです。先日、ベルギーに行った時は、ボトル水で日本円に換算すると約300円もかかりました。日本では言うまでもなく蛇口からそのまま飲めます。 一方、水道料金となると、日本は地域による格差が大きな問題になっています。この格差は水道事業の規模に起因するものと、初期の投資コストに起因するものの2つが大きく影響しています。 また水道料金の逓増性という問題も絡んで、大口のユーザーは地下水利用を進経済学からみた水道事業〜持続可能な水道経営を目指して〜水谷教授講演 大学で水道や電力、鉄道など様々な公益事業に関連する内容を教えています。こうした学問分野の課題は科学的な思考が必要とするのが60%くらいで、残りの40%は、価値判断を伴うような課題でリベラルアーツの素養が必要で、答えが一つではない、あるいは、科学的な思考とはまた違った世界になると思います。今回はこれらの思考方法をミックスした形で話を進めたいと思います。 まず水道事業の現況、さらに水道事業は国が関わり、地方自治体が運営しているのはなぜか?公的セクターの性格などについてお話したいと思います。水道事業の現況日水協関西地方支部管理者講習会との共催平成25年11月12日(火)神戸大学 大学院経営学研究科 経営学研究科長・経営学部長  水谷 文俊 氏

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