関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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68働しました。この高度浄水処理技術の開発過程においても、近隣の同一水源を有する大阪市水道局及び当時の大阪府水道部の技術者とそれぞれの実験成果を共有する三者会議を開催し、連携して取り組んだことは非常に有意義なものとなりました。結果的にはそれぞれの特徴を有する処理フローを採用しましたが、根本的には同じ考えのもとそれぞれの既存浄水施設の状態や技術者の創意工夫により切磋琢磨して取り組んだ成果だと言えます。また、実施設の建設段階では、関西水道事業研究会(関西地方の8水道事業体で組織)において、高度浄水処理の必要性、投資と効果等について連携して取りまとめを行い、広くアピールを行うことで国庫補助制度の設立に大きく寄与したものと考えています。他にも、高度浄水処理の導入にあたっては、様々な浄水処理に関わる技術を民間メーカーの技術者と連携して開発を行い採用しています。例えば、オゾンの散気管や接触槽、残留オゾン濃度計、活性炭流動層に見合った下部整流装置、活性炭界面計、高速ろ過池等があげられます。これらの様々な形での連携によって、全量高度浄水処理化が実現し、良好に稼働しています。 現在取り組んでいる課題は、阪神淡路大震災以後推進してきた施設の耐震化だけでなく、東日本大震災で得られた知見から電源、液状化及び津波等のリスクにどのように対応するかも検討を行っています。また、人口減少や節水機器や意識の普及により水道使用量が減少しており、事業運営面についての検討も必要となってきています。このような新しい課題に対して、今年度厚生労働省で策定された新水道ビジョンの中では、その推進要素として、「挑戦」と「連携」の姿勢を持って取り組むべきと示されています。関西の水道事業体は、前記したように、まさに連携して様々な課題を解決してきた歴史があります。今後もいろいろな立場の方々と官民連携、広域連携して、社会基盤としての水供給をより安定的で効率的なものに変化させるべく挑戦していこうと思っています。関西ウォータークラブには、この連携の中心として継続して活動されることを望んでいます。阪神水道企業団企業長 山中 敦●淀川原水のアンモニア態窒素と塩素注入率尼崎浄水場(施設能力373,000㎥/d)

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