関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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67 関西ウォータークラブの創立50周年おめでとうございます。水道関係の事業体と民間企業等が一同に介して情報交換できる場を継続してきた先人の方々の努力に敬意を表するとともに感謝しております。 阪神水道企業団は給水を開始して70年以上が経過していますが、50年前というとちょうど3期拡張工事が完成し、やっと一日最大給水量に施設能力が追いついた時期になります。同時に4期工事も並行して工事を施工中で、量に対しては一定の目処が立った時期でした。しかし、企業団が水源としている琵琶湖・淀川水系では、経済発展に伴い淀川の水質汚濁が急速に進み、下流で取水する水道事業体では、浄水場での対応に非常に苦慮することとなりました。特に消毒剤の塩素については、原水中に高濃度のアンモニアが残存したため、残留塩素の制御に大変苦労したと聴いています。淀川の水質悪化に対して、下流水道事業体が連携して調査研究や要望等を行い、水質改善をはかる目的で淀川水質協議会を設立し、精力的に活動しており、この連携した活動は、淀川の水質改善に対して非常に有効であったものと考えています。 一方、琵琶湖にいても昭和40年代半ばには富栄養化に伴うカビ臭が発生し、その後下流にも影響することになりました。このカビ臭による水道水への着臭は、関西の水道の信頼性を大きく低下させ、市民の方々から多くの苦情が寄せられました。暫定的に粉末活性炭を注入し、対応していましたが、十分でなく本格的な浄水場での対応が必要となりました。 企業団では昭和58年からこれらの課題を解決すべく浄水技術の開発研究を実施しており、平成元年度には日量2,000㎥の高度浄水処理実証プラントを稼働させ、実施設の設計・維持管理方法に関する情報収集を行い、平成5年度には、猪名川浄水場において淀川水系では初のオゾン・活性炭処理を導入した高度浄水施設が稼●施設整備の経緯と浄水技術の変遷阪神水道企業団関西の水道とともに

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