関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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58●加納浄水場の変更認可に基づく処理工程平成22年度から各浄水場の整備事業が始まっています。 しかし、水需要が年々低下し料金収入が減少する状況となっていることから、事業全体の効率化がより一層求められています。このため、現在本市では将来の水需要予測を行い、現状の施設整備(浄水場・基幹管路等)を再検討し、平成40年度を目標とした新たな「上水道施設整備基本計画」を策定することで見直しを図っています。そこで、計画の柱となる加納浄水場の整備事業について説明します。■加納浄水場の整備計画  加納浄水場は、計画1日最大給水量の約60%に当たる121,000㎥/日を給水しており、昭和48年から稼動しています。現在、153,000㎥/日に増量更新を実施し、今後も基幹浄水場として運用することになっています。 既存の施設・設備の多くは建設から約40年が経過して老朽化が進んでおり、土木・建築構造物は更新及び耐震化が必要と考えています。また、稼動開始時に比べて原水水質が大きく変化した上に、水道水質基準が改正されたことに対応するため、炭酸ガス・消石灰注入設備や粉末活性炭注入設備を設置し整備してきました。しかし、現状においてもトリハロメタン、かび臭及びろ過水濁度等の水質面の課題を抱えています。 以上の理由により、加納浄水場を本格的に整備することとなりました。加納浄水場の浄水処理方法の変更については、図のとおり平成18年度に厚生労働大臣より変更認可を受け、現状の浄水・排水処理方法を変更し、併せて施設の更新及び耐震化を行うこととなりました。現計画として、平成22年度から24年度にかけて、既存の沈砂池関連工事として粉末活性炭注入設備を更新し、沈砂池の後段を粉末活性炭接触池に改造すると共に全体の耐震化を行いました。今後、平成26年度から高速凝集沈澱池を横流式凝集沈澱池に更新する予定です。また、平成23年度から排水排泥池を更新、濃縮槽を新設中であり、さらに平成26年度から天日乾燥床を機械脱水機に更新する予定です。その後、管理棟本館、ポンプ棟及び受変電設備等の更新及び耐震化を随時行っていく予定です。また、将来計画である高度浄水処理施設及び膜ろ過設備の導入時期については、現在策定中の「上水道施設整備基本計画」で検討しています。和歌山市公営企業管理者藤原 庸記

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