関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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52したが、京都市では、6箇所目の山ノ内浄水場の建設に着手しています。それから50年…時代は「拡張」から「維持管理」へと移り変わりました。施設規模適正化の観点から、山ノ内浄水場もその役目を終え、平成25年3月に廃止いたしました。 約半世紀にわたり市民の皆様に命の水を供給し続けてきた山ノ内浄水場の廃止に当たり実施したのが、全国的にも例のない大規模な給水区域の再編に伴う切替え作業でした。対象は、本市給水戸数の約4割。綿密な計画と徹底した事前広報により、地域への影響を最小限に抑え、1年4カ月に亘ったこの切替え作業は、私たち京都市上下水道局職員の大きな財産となりました。そして、この切替作業を通じて培った確かな技術力は今後も継承され、我が国の水道事業の発展に大いに資するものと自負しております。 この50年間で、京都市の水道水は確実に美味しくなりました。また、5箇所の浄水場が7箇所に増え、現在は3箇所になりました。そんな移り変わる時代の中で、京都市上下水道局には決して変わらないものがあります。「山紫水明の都・京都のライフラインを守る!」という使命感です。 現在、水道事業を取り巻く状況は、大きな局面を迎えています。節水型社会の進展や長引く景気の停滞等により水需要が減少の一途を辿る一方で、高度経済成長期に整備した管路の老朽化が進み、東日本大震災を踏まえた災害対策の強化も急がなければなりません。この困難を乗り越えるべく、平成25年度から、新たな経営プランのもと、京都市上下水道局は大きな一歩を踏み出しました。このプランでは、これまで以上に老朽化対策、災害対策を強力に推進するとともに、徹底した経営の効率化、更には昭和56年以来の料金制度改正を行い、持続可能なサービスの提供に向けた経営基盤の強化を目指します。 これからも京都市上下水道局は、先人から脈々と受け継いできた崇高な使命をしっかりと胸に刻み、全職員が一丸となって果敢に挑戦してまいります。京都市公営企業管理者上下水道局長水田 雅博給水区域切替作業でのバルブ操作

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