関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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51 関西ウォータークラブ創立50周年、誠におめでとうございます。心からお慶び申し上げます。関西水道界の発展に大きく寄与してこられました皆様方の並々ならぬ御尽力に敬意を表する次第でございます。 さて、京都市水道事業の原点は、120年以上前に遡ります。東京遷都により衰退の一途を辿り始めた京都のまちを復興させるため、琵琶湖と京都のまちを「水」で繋ぐ琵琶湖疏水が建設されたのが、明治23年4月。その22年後の明治45年4月、京都の近代化の礎となる「京都市三大事業」として進められた第二琵琶湖疏水が竣工し、蹴上の地に我が国で初めての急速ろ過方式による浄水場を創設いたしました。これが、京都の水道事業の幕開けでございます。以来100余年、先人達のたゆまぬ努力により、京都市民の皆様の命と暮らしを守り続けてまいりました。 京都市水道事業の歩みは、琵琶湖とともにあります。安全・安心で美味しい「水」を安定的に供給し続けること、それが水道事業の生命ですが、昭和44年、京都のまちにうるおいをもたらしている琵琶湖の水に変化が生じました。富栄養化が進み、プランクトンの異常増殖、そして、突如として水道水に「かび臭」が生じました。翌45年には、脱臭処理技術の開発と臭気の原因物質の解明等を使命とする「臭い水対策研究会」を設置し、研究を重ねました。以降、臭気対策として用いた活性炭処理、加えて、滋賀県内の下水道普及率も向上し、富栄養化は改善傾向となり、臭気の問題は改善いたしました。現在では、徹底した水質管理のもと、「京の水道水 世界最高水準」のキャッチコピーを掲げ、水道水の品質の良さを大々的にPRするまでに改善することができました。平成25年度、京都市の水道水と国産・外国産のミネラルウォーターを銘柄が分からない状態で飲み比べる「京(みやこ)の水・利き水大作戦」を実施しましたが、参加者10,492人に体験していただき、半数以上の5,293人の方から京都市の水道水を「最もおいしい」との判定をしていただくなど、その美味しさを証明することができました。 さて、貴クラブが創立された昭和38年、当時は、高度経済成長期の真っ只中であり、水道事業はまさに「拡張の時代」で地下鉄駅で「京の水道水 世界最高水準」をPR建設直後の山ノ内浄水場京 都 市関西の水道とともに

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