関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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12 関西ウォータークラブにおかれましては、このたび、めでたく創立50周年を迎えられ心からお祝い申し上げます。また、関係者の皆様のご尽力により記念誌を刊行されることを心からお喜び申し上げます。 この間、昭和時代における水道普及率の向上、あるいは水道原水水質の変化など関西地区が直面した課題に対処して、講演会や地道な調査・研究に精力的に取り組んでこられたことに対し敬意を表するものであります。 さらに、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたにもかかわらず、関西地区の水に関係する皆様方を中心としたご活躍により迅速に克服されましたことに、中国・四国地区の水に関係するものにとりましても深く感銘を受けたところでございます。 近年、水道事業を取り巻く環境は、少子高齢化の時代に入り、国の人口の推移が減少に転じるとともに、景気の低迷や節水機器の普及、業務用水の地下水への転換等によって水需要が低迷しており、給水収益の見通しは厳しい状況にあります。 また、より高度な給水サービスが求められる一方で、全国的に多くの水道施設が老朽化し、更新時期を迎えていることや、施設の耐震化、職員の大量退職に伴う技術力低下など、水道事業の経営環境は、一層厳しさを増しています。 さらに、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震は東北地方を中心として広範囲に甚大な被害を及ぼし、未曽有の断水規模となりました。他方、南海トラフ巨大地震は近い将来での発生の可能性が高いと言われております。 その一方で、異常気象により本年夏季に発生した大雨災害に伴う洪水被害は記憶に新しいところであり、環境への対応も大きな問題となっております。 この50年の間に新幹線の開通、高速道路網の整備、本州四国連絡橋の完成など、関西地区と中国・四国地区の結びつきは非常に強くなってきており、この結びつきは、今後、益々強くなってくるものと思われます。 今、直面している多くの課題に対応するため、従来にも増して水に関係するものが強固に連携していく必要があります。「新水道ビジョン」が目指す「地域とともに信頼を未来につなぐ日本の水道」の実現に向けて、関西地区の水の事業の発展に取り組まれている貴クラブと中国・四国地区の当クラブは、互いに協力し合い、連携を密にしながらともに取り組んでまいりたいと存じます。 当クラブは、今回50周年を迎えられた貴クラブをモデルに設立いたしましたが、その際、水道産業新聞社の創業者である河添佑之助元社長にご尽力いただき、設立後も、名誉会員として当クラブの発展に貢献していただきました。この場をお借りして御礼を申し上げます。 結びに、関西ウォータークラブの今後の益々のご発展と皆様方のご健勝・ご活躍をお祈り申し上げまして、お祝いの言葉といたします。中国四国ウォータークラブ理事長高田 順郎原稿は平成26年3月時点のものです。お祝いの言葉

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