9 KWCが設立された昭和38年9月から約半年後、全国の首長で構成する全国下水道促進会議の強い要請を受け、水道協会から独立する形で日本下水道協会が誕生しています。KWCの50年の歴史と下水道協会の50年の歴史はほぼ重なっていることになります。爾来、高度経済成長の過程にあって関係者一丸となり、下水道普及率の向上と処理レベルの高度化による公共用水域の水質改善に邁進することになりますが、関西地方の下水道事業は、世界に類のないスピードで進捗した、我が国全体の下水道事業を常に牽引してきました。例えば、昭和46年の下水道法抜本改正に先立つ昭和40年には流域下水道の先駆けとなる大阪府寝屋川流域下水道事業の着手、以降も琵琶湖総合開発計画の切り札となる琵琶湖流域下水道事業での高度処理の採用、さらには阪神・淡路大震災を教訓とした耐震基準の見直し、全国初の兵庫県福崎町のMBR(膜分離活性汚泥法)や堺市の大規模MBRの採用、最近では大阪市等でのB-JUMP(下水道革新的技術実証事業)の実施など、枚挙に暇がありません。これらの特筆すべき実績を達成できた土壌として、現役とOBを問わず、また官と民を問わず、水に関する情報の交換・共有を通じて、変容する諸課題に真摯に取り組むという、KWCの運営方針が大きく寄与してきたことは言うまでもありません。 漸く一定の整備水準と公共用水域の水質保全を達成した現在、健全な水循環を確保するためには、適切な改築・更新を含む、事業の持続的な経営とともに、上下水道事業の密接な連携が求められます。地方公共団体の厳しい財政事情下にあっても、自治体には管理者としての責務を確実に果たすことが求められる一方、PPP/ PFIのように施設の運営権を譲渡するコンセッション方式の導入など、民間活力を活用した、新しい形の官民連携も一層重要になっています。さらに、現政権の掲げる第3の矢「日本再興戦略」の主要な柱である、海外水ビジネス等の社会インフラ輸出を加速させるためには官民が役割分担しつつ、取り組んでいく必要があります。 これら水を巡る時代の大きな潮流に適切に対処するため、官と民の交流組織であるKWCが引き続き、日本の上下水道界を牽引していかれることを切望する次第です。 最後に、本年7月には、世界に冠たる日本の下水道技術を一堂に集めた「下水道展’14大阪」をインテックス大阪において開催いたします。全国の下水道関係者が集う下水道界最大のイベント「下水道展」の成功に向け、KWCの絶大なご支援をお願いして、お祝いと致します。公益社団法人 日本下水道協会理事長曽小川 久貴原稿は平成26年3月時点のものです。お祝いの言葉
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