関西ウォータークラブ 50周年記念誌
64/102

63■はじめに 本市は大阪府の北部に位置し、町村合併を経て、昭和11年10月15日に市制を施行しました。市内には大阪国際空港をはじめ、名神高速道路や鉄道などの交通網が整備されており、非常に利便性が高いまちとして発展してきました。 本市の水道事業は、昭和3年に創設し、昭和27年から昭和47年にかけて4次にわたる拡張事業を実施した後、管路や施設の整備事業を重ねて現在に至っています。特に高度経済成長期の昭和30年代から40年代にかけては、人口が驚異的に増加したこともあり、拡張事業が追い付かず、一時は施設能力に不足を来すこともありました。水源は、猪名川伏流水を水源とする自己水と淀川を水源とする大阪広域水道企業団からの受水となっており、割合は自己水が1割、受水が9割となっています。 平成24年度末現在、給水面積36.6㎢、給水人口39万人、給水戸数17万世帯、施設能力21万6575㎥/日、年間給水量4千5百万㎥、一日最大給水量13万5千㎥、浄水場1箇所(急速ろ過処理)、管路総延長800kmの事業規模となっています。■豊中水道の特徴 本市は早くに拡張事業が終了したこともあり、配水管の質的向上を図るための更新事業をはじめ、配水ブロック化や直結式給水の拡大など、維持管理を中心とする整備事業に早くから着手しました。 管路更新については、新しい材料や技術を先駆的に採用しながら計画的に敷設替えを進めるとともに、配水ブロック化については、各配水池を基点とする配水系統ごとの「7つの大ブロック」と、日常の維持管理を主目的とした「49の小ブロック」に分けて整備しています。大ブロックについてはすでに完成し、現在は小ブロックを中心に整備を進めており、整備済面積の割合は約6割となっています。小ブロック化では、網の目に張り巡らされた配水管網を一定の規模に整理分割して管理するため、非常時における影響を最小化できるとともに、配水圧力の適正化や漏水防止対策の効率化といった日常の維持管理の高度化も図れます。特に漏水防止調査においては、ブロック流入点での配水量データを活用した効率的な追跡調査が可能となるため、有効率の向上に大きく寄与しています。 平成7年の阪神淡路大震災では、本市でも配水管で80件、給水管で6千件以上の被害が発生するなど、これまで経験し完成当時の柴原浄水場(昭和39年)●豊中市の人口の推移豊 中 市関西の水道とともに

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る