関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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59 市域の東側を琵琶湖に西側を比良・比叡の山並みに包まれた南北に細長い行政区域を持つ大津市は、昭和5年に給水人口1万人で水道事業の給水を開始して以来83年が経過し、現在では6つの浄水場と68箇所の加圧・配水池施設、1400kmの管路により、34万人のお客様に水道水をお届けしています。 本市の水道は、事業創設時より、水源を琵琶湖に求めており、現在では、上水道の全ての浄水場が、水源を琵琶湖としています。また、水道の普及を促進してきた簡易水道は、地形的な関係で、水源を山間の谷川などに求めていましたが、より安定した水源の水質・水量を確保するため、上水道へ統合することとなり、水道事業における琵琶湖の重要度は益々高まっています。 このように大切な琵琶湖でありますが、本市水道の歴史を振り返ったとき、過去には苦難の時代がありました。昭和30年代から40年代の高度成長時代を迎えた頃、本市においても、市町村合併などによる給水区域の拡大と生活水準の向上により、給水量は急激に増加し、その需要に応えるべく、水道施設の拡張を繰り返していました。これと同時に、琵琶湖流域の急速な都市化の進展で、閉鎖性水域特有の富栄養化が進行した結果、昭和44年より琵琶湖の南湖にカビ臭が発生し、その後昭和52年より、広範囲にわたる淡水赤潮が発生するようになったのです。 長年琵琶湖に親しみを感じてきた市民の水道に対する目は厳しく、低廉で安定した給水はもちろんのこと、「おいしい水」が求められつつある時代であったことから、淡水赤潮やカビ臭の発生時期ともな膳所浄水場大 津 市関西の水道とともに

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