関西ウォータークラブ 50周年記念誌
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10 関西ウォータークラブが創設され、今年で50周年を迎えられるとのこと、この間の活動に敬意を表しますとともに、心からお祝いを申し上げます。 50年前、1963年(昭和38年)といえば、東京オリンピックの前年で、戦後の混乱からはっきりとテイクオフし、高度経済成長の只中にある時代でありますし、水道についていえば、その普及が加速し、拡張に追われ、水資源の確保が大きな課題となっていたころでありましょう。 そうした中にあって関西地域の上下水道事業およびそのサポート企業、研究者が自由に意見を交えることのできる場を設けたということは、まことに意義深いものと感じます。クラブ創設時の中心メンバーを考えますと、戦後ゼロから関西地域の水道整備に携わってこられた方々と思われます。まさに関西地域の上下水道の骨格をつくりあげた人々の集まりといえましょう。 よく、水道一家といわれます。それぞれ所属する組織は異なっても、いざというときには協力し、サポートし水道の使命を果たすために尽力する、将来ともに残したいあり方と思います。近年、「連携」ということがよくいわれます。重要なことですが、単に言葉の上で、あるいはトップ同士が「連携」をうたっても、いざというときに機能する連携はそうたやすく図れないものと思います。組織相互のフォーマルなコミュニケーションはもちろん重要ですが、それだけでは十分とはいえません。いろいろなチャンネルを通じた、組織、個人のインフォーマルなコミュニケーション、あるいはプライベートなコミュニケーションも積み重ねることによってどんなときでも機能する連携が形づくられるものと思います。 貴クラブがこの50年間果たしてきた役割として、もちろん参加する個々人の研鑽の場、親睦の場としての意味はありましょうが、ひいては、こうした重層的なコミュニケーションの形成に寄与してきたことがあげられるものと思います。 自由なコミュニケーションはヒトづくりの上でも重要です。時代は普及、拡張の時代から、管理の時代に変わってはいますが、安全にして強靭な水道を今後とも持続させていくという水道の使命は変ってはいません。人口減少のもとで、各種の困難が予想されますが、会員相互のコミュニケーションの中でマニュアルでは表現できない知が世代を超えて伝わっていくことを期待します。 貴クラブが今後とも水道人のよきコミュニケーションの場となることを祈念してお祝いの言葉といたします。一般社団法人 日本水道工業団体連合会専務理事仁井 正夫原稿は平成26年3月時点のものです。お祝いの言葉

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